今回は、君津の人気パブリックコースをご紹介いたします。
直近で2回程ラウンドにいかせていただき、とてもいいコースだと改めて感じました。
[アクセス]
館山自動車道君津ICを降りて、県道92号線を鴨川方面に真っ直ぐ10分程走ると新君津ベルグリーンCCに到着します。
君津ICから最も近いゴルフ場で、都心からも1時間弱で到着!
※ゴルフ場までの道沿いにコンビニが3件あるのも大変便利です。
[門からクラブハウスまでのアプローチ]
この日は朝もやがかかっており、幻想的な雰囲気をもって迎えてくれました。
[コース概要]
2002年に開場した近隣エリアでは比較的新しいパブリックのゴルフ場です。
旧名称のグリーンラブCCで記憶している方も多いかもしれませんね。
設計は日本ゴルフコース設計者協会名誉理事の大西久光氏。
リンクスを再現しており、各所に配された美しいマウンドが印象的なコースです。
山がちな君津の地形には珍しく、高低差が少なくフラットなOUT・INの18ホール(パー72)。
ベントの1グリーン。
距離は6,826Y。
乗用カートでのオールセルフプレーです。
GPS付きカートナビには、ホール情報の他にリーダーズボード機能の搭載しており、好評を得ています。
[コース紹介]
さて、コースについてご紹介します。
まず、ひとつの引用からはじめたいと思います。最近読んだスポーツ批評の中で、こういう一文にぶつかりました
ゴルフが生まれた土地は、古スコットランド語でリンクスと呼ばれる海岸性の砂地である。波打ち際からわずかに陸に入った、砂地にハマボウフウなどの海岸性植物が点在するだけのきわめて中間的な地勢においてゴルフが生まれたことは重要である。リンクスは塩分を含んだ砂が起伏を持って砂丘状に広がる荒れ果てた土地で、羊の放牧ぐらいにしか使えない土地であった。そしてまさに羊飼いたちが、地形や気候や風を読みながら羊とともに生活する身ぶりを、ゴルフはスポーツとして模倣することによって成立した。 [出典] 今福龍太 著 『スポーツの汀』 紀伊国屋書店 1997年 15ページ
新君津ベルグリーンCCはテーマとして「自然と共生、ゴルフはスポーツ」を掲げており、ゴルフの起源としてあるリンクスを再現したゴルフコースです。多くのゴルフ場が、さまざまテーマやキャッチを掲げていますが、ゴルフの起源に則したテーマを掲げているコースはそう多くはないとは思います。
ゴルフを原初的意味合いで捉えなおし、よりカジュアルにプレーする喜びを感じてほしい、そんなゴルフ場の心意気を感じることができるコースなんです。
さらに、上述の文章には、こんな一文が続きます。
いまでこそ、ゴルフへの関心は抽象化された数字としてのスコアに集約されてしまっているが、しかし現在のゴルフコースに設けられたバンカーやウォーターハザードやラフは、いうまでもなく、砂と水とハマボウフウがつくるリンクスの地勢が記号化さてれ残ったものである。 [出典] 今福龍太 著 『スポーツの汀』 紀伊国屋書店 1997年 16ページ
新君津ベルグリーンCCは、リンクスが意味するところの海岸沿いに立地しているコースではありません。しかしながら、その土地が本来持っている特性を活かしながら、リンクスならではの要素が随所に散りばめられています。
たとえば、コースをセパレートするように配されたコブの数々はリンクスを想起せずにはいられません。
[6番ホール]
グリーンうしろから撮影
なめらかなコブが幾重にも重なっている
[14番ホール]
セカンド地点からティグラウンド方向を撮影
時間帯や季節によりコブが映す影が変化していく
また立木がほとんどないこともリンクス的要素のひとつです。ホールによってはティグラウンドに立つと折り返してくる隣のホールがフラットに見える箇所もあります。
[10番ホール]
ティグラウンドから撮影。11番ホールとフラットに見える。
リンクス(陸と海の中間地帯)を演出する装置として、大きく口を開けたウォーターハザードと白茶けた岩肌が露出する岩礁を部分に配しています。
[13番ホール]
グリーンのうしろからティグラウンド方向を撮影
13番のパー3はリンクスの波打ち際の岩肌を想起させるダイナミックなレイアウトが印象的です。
毎年秋口になるとパンパスグラスが背を伸ばし、コースをより引き締めた印象にしあげます。立木が少ない分メンテンナンスは楽だよ、とコース担当者の方が教えてくれました。しかしこのパンパスグラスは時期が終わる頃にしっかり剪定しないと来年キレイに伸びてこない、とのこと。かなりの数あるので、それはそれで大変。。。
[パンパスグラス]
練習グリーンから1番ホールのティグラウンド方向を撮影
新君津ベルグリーンにおいて、曇り空や多少の雨はリンクス的特性を引き出すひとつのポジティブなアイテムです。
著述家のマイケル・マーフィーは本人がプレーを通して感じたゴルフの神秘性と楽しさについて、著書『王国のゴルフ』でこのように書いています。
ゴルフほど、ゴールに対して競技場がとてつもなく大きいスポーツはほかに例をみない。われわれは初め広々とした場所でプレーするが、やがてこじんまりした地点にやって来る。そして最後に目標は地面の中、つまり地下となる。私がこのことに気づいたのは、一九四八年、サリナス・ゴルフ場のグリーンキーパーがこしらえていた、桁外れに深いホールに手を突っ込んだときだった。地中深く手を伸ばしたときの感覚はなんとも奇妙だった。ボールの下にはいったい何があるのだろう? [出典]マイケル・マーフィー(山本光伸 訳)『ゴルフの王国』 春秋社 197ページ
新君津ベルグリーンCCはそんな原初的なゴルフのワクワク感や難しさを感じさせてくれるコースです。
皆さんもぜひ、新君津ベルグリーンCCへお越しください。そして、スポーツとしてのゴルフを楽しんでみませんか。
ボールの下にはいったい何があるのだろう?
☆おすすめポイント☆
[練習施設が充実]
280ydのドライビングレンジ&アプローチ・バンカーフィールドを完備しており、ラウンド前の調整はもちろん、ラウンド後の練習にももってこいです。
[ランチメニュー]
今回いただいたのは豚ロースの味噌漬。
県産の豚を使用したスタミナ満点の味噌漬です。
地産の食材を使ったおいしい料理を食すのもゴルフ場の魅力のひとつですよね!